朝方、この店の常連のRobertpapがいつものように入ってきた。出来ればグラス一杯で帰って欲しい・・そういう客だ。私のむなぐらをつかむと今にもあばれそうな勢いでこう言った。

私はひたすら我慢して聞いてあげた。

朝方、見馴れない一人の色男が店に入ってきた。色男はチャック全開に気づいている様子もない。一枚の写真を取り出すと、目に涙をうかべて話しはじめた。

昔はもっと素直ないい子だったのに・・・。

朝方、見馴れない一人の坊主が店に入ってきた。出来ればグラス一杯で帰って欲しい・・そういう客だ。Randynoulpは1歩もその場を動こうとしなかった。

今夜が一段と冷えるのは深々と降り積もる夜雪のせいだけでは無いだろう。

朝方、見馴れない一人の御曹司が店に入ってきた。DerekLeactと言う名前らしいがどうせ偽名だろう。私のむなぐらをつかむと今にもあばれそうな勢いでこう言った。

笑って許してやるだけの寛容性も必要だ。

朝方、前に見たことがある女殺しが入ってきた。一癖もニ癖もありそうな人物だ。バーボングラスをみつめながら、つぶやきはじめた。

・・・不様としか言いようが無い。

朝方、前に見たことがあるプリンスが入ってきた。見ているこちらが辟易するくらいの派手な衣装だ。私を嬉しそうに見つめ、もったいぶってこう言った。

はい、お疲れさん。

朝方、この店の常連のRobertpapがいつものように入ってきた。Robertpapという名前は覚えるのに一苦労だ。Robertpapは何を思ったか一冊の本を取り出し、私に聞こえるよう朗読し始めたのだ！

この貴公子からこの話が出てくるとは思わなかった。

朝方、この店の常連のRobertpapがいつものように入ってきた。バクチで散々負けたらしくかなり荒れているご様子だ。自分の人生が今までどんなに不幸だったかを延々と話し始めた。

人間もここまで落ちぶれると大したものである。

朝方、割とよく来るRobertpapが入ってきた。長生きするとこういう客も珍しくない。Robertpapはスラム街のど真ん中で聞いたという儲け話を始めた。

私はその場を逃げ出したい気持ちでいっぱいだった。

朝方、割とよく来るRobertpapが入ってきた。聞いたこともない会社のこれまた聞いたこともない肩書きを持つ。私にペコペコお辞儀をすると童子のような眼で語り出した。

・・泣きたいだけ泣くがいい。今宵の酒は悲しい酒だ。