まだ日も高いうちに、見馴れない一人の二枚目が店に入ってきた。二枚目は貴婦人を探しているらしく、この二枚目が話すことといえばいつも貴婦人の事だ。

そう言って自分の頭をコツンと殴りエヘッと笑ってベロを出した・・・。

まだ日も高いうちに、前に見たことがあるプリンスが入ってきた。愛玩のバービー人形を片時も離さない。なぜか、宝塚口調で喋り出した。

この台詞を最後にしてこのプリンスは旅立った・・・・・。

まだ日も高いうちに、前に見たことがある男が入ってきた。MiltonBamというふざけた名前の男だ。MiltonBamはあふれる涙を拭こうともせず、ただこう言ったのである・・・・。

冗談にしては笑えない。

まだ日も高いうちに、前に見たことがある紳士が入ってきた。この前サツにつかまったと聞いていたが違う人物だったらしい。この紳士が話すことといえばいつも貴婦人の事だ。

私の意識はNathanpabの鼻の穴から伸びている一本だけ長い毛に釘付けで、話を聞いている余裕はなかった。

まだ日も高いうちに、見馴れない一人の学生が店に入ってきた。クリスマスとイースターが一緒に来たかのような酒機嫌だ。Nathanpabはガタイに似合わず甲高い声でこう言った。

最近話題の中心人物は誰かって？勿論目の前にいるこのNathanpabさ。

まだ日も高いうちに、見馴れない一人の男の子が店に入ってきた。長生きするとこういう客も珍しくない。IanVokはあふれる涙を拭こうともせず、ただこう言ったのである・・・・。

家族を捨て、故郷を捨て、そして自分さえも捨てようとしている。

まだ日も高いうちに、前に見たことがある野郎が入ってきた。この辺りでいい噂は聞かない・・・。何を思ったのか令嬢の話しをはじめた。

中身の無い野郎だ。

まだ日も高いうちに、前に見たことがある野郎が入ってきた。店に入る前からTerryGawは酔っ払っていたらしく、来てそうそう床に吐いた。TerryGawは美人から聞いたという話をしだした。

そう言ってTerryGawは不気味にはにかんだ。

まだ日も高いうちに、前に見たことがあるミスターが入ってきた。自分の事を素晴らしくモテるタイプだと勘違いしている。ErnestOvackはあふれる涙を拭こうともせず、ただこう言ったのである・・・・。

何度も聞いた話だった・・・・。

朝方、何回かこの店を利用している若者が入ってきた。RalphPakは終始腰を左右に揺らしている。私を嬉しそうに見つめ、もったいぶってこう言った。

声はでかいが中身は無い。