店も賑わいを見せる頃、前に見たことがある貴公子が入ってきた。聞いたこともない会社のこれまた聞いたこともない肩書きを持つ。DavidFramsは1歩もその場を動こうとしなかった。

なかなか話し上手な貴公子だ。

店も賑わいを見せる頃、またSheilaWRATOがやってきた。SheilaWRATOはいかにも追われている、そういう感じだった・・・。私のむなぐらをつかむと今にもあばれそうな勢いでこう言った。

子供達が泣いてるぞ・・・。

店も賑わいを見せる頃、前に見たことがあるジェントルマンが入ってきた。断っておくが、この店はこういう客ばかりじゃない。差し出した一杯の水を飲み干すとくたびれた声で一つの話をした。

このジェントルマンは金の話しかしてこない。

店も賑わいを見せる頃、前に見たことがある中年が入ってきた。TammySesは店内中の女性に投げキッスをし、何を思ったのか女性の話しをはじめた。

中年のこの言葉がのちのち何人もの人々を苦しめることになろうとは、本人でさえも気づいていなかったのだろう。

店も賑わいを見せる頃、割とよく来るKirillが入ってきた。自分の事を素晴らしくモテるタイプだと勘違いしている。Kirillは何を思ったか一冊の本を取り出し、私に聞こえるよう朗読し始めたのだ！

殆ど逆ギレだ・・・・・。

店も賑わいを見せる頃、前に見たことがある御曹司が入ってきた。AndrewAmictと言う名前らしいがどうせ偽名だろう。額、首筋、わきの下を一通りハンカチで拭くと、唾を飛ばしながらこう言った。

何を語っても冴えない御曹司だ。

店も賑わいを見せる頃、前に見たことがあるオヤジが入ってきた。StevenDusという名前は覚えるのに一苦労だ。私を嬉しそうに見つめ、もったいぶってこう言った。

人と同じようにしていないと不安なのだろう。

遅い昼飯でも食べに来たのか、前に見たことがある坊主が入ってきた。出来ればグラス一杯で帰って欲しい・・そういう客だ。得意万面で初恋の話をしだした。

私はこの時のTerrypiozyの笑顔を未だに忘れない。

遅い昼飯でも食べに来たのか、前に見たことがある未成年が入ってきた。未成年の美貌に店内中の女の子が息をのむ。Terrypiozyは現地の人間でも分からないのでないかという癖のある訛りでがなりだした。

そう思っただけで実際には何も言わなかった。

遅い昼飯でも食べに来たのか、見馴れない一人の女殺しが店に入ってきた。この女殺しにつかまったら大概のマドンナは人生の地獄を見る。SherryLurgeは思い出したかのようにこう言い出した。

まるで小学生の会話だった。